Fortune tellerでお話したように、私は若い時スピリチュアルにはまってしまい、いろいろな霊能者といわれる方にお会いしました。今その方たちは存命されておられるかどうかよくわかりません。私がこの人はすごいと思った方のうち、大阪柏原市の山中にある国分寺といわれるお寺を守っておられた橋本先生がおられました。橋本先生は奥様と二人で本当に方丈の庵程度の小さな寺務所で質素に暮らしておられました。橋本先生はお話ししていても欲のない方で本当に仙人のような方でした。この方を訪ねたのは、当時私達夫婦は結婚してもなかなか子供が出来ず子供は授かるのかどうか知りたいと思いお会いしたことが縁でした。橋本先生は、
「子供は必ずできるが、まず三輪明神に10回ほどお参りしてください。」
と言われました。私達は夕方散歩がてら軽い気持ちで三輪明神に参拝し、再び橋本先生にお会いした時、
「何をするにも心を込めてしなければ希望はかなえられません。」と言われ、もう一度参拝しなおしになりました。
3度目にお会いした時に、三輪明神の社に大きな蛇がいて卵を食べていた、という話をすると橋本先生は、
「それは吉兆です。これで希望は叶いますが、子供は今すぐできるわけではありません、忘れたときに授かるでしょう。今与えれた仕事を一生懸命してください。」と言われました。どの霊能者の方も過去や未来ではなく今この瞬間を大事にするよういつも強調されます。
子供が出来たのは結婚して11年後、橋本先生にお会いしてから3,4年後のことでした。その時の感動は今も忘れません。私の人生で最も幸せなときだったかもしれません。そのときは生まれてくれただけでありがとう、と思ったにもかかわらず、時がたつと自分の思い通りに育てようとした自分を恥ずかしく思っている毎日です。
君待つと 我が恋ひをれば 我が宿の
簾動かし 秋の風吹く