ずっと以前のことですが、私は従業員や知り合いの女性が妊娠すると、本人より先に妊娠がわかってしまうという不思議な事が何度もありました。(今はそのようなことは全くありません。)
受精卵が着床すると、その女性が赤ちゃんを抱いている姿が映像のように見えるのです。女性の従業員が妊娠するとたいてい退職しますので、本人から妊娠したのでやめるという話が出る前に私はあらかじめ次の従業員を探していることもありました。
あるとき不妊で悩んでいる知り合いの女性が妊娠したことがありました。この女性に久しぶりに会って話をしたとき、やっと妊娠したという話を聞き映像のようにこの女性が赤ちゃんを抱いている姿が見えました。しかしこの女性は笑顔ではなく泣き顔で赤ちゃんを見つめていました。ああ、きっとこの赤ちゃんは流産になってしまうかもしれないとその時思ったのですが、もちろん顔には出しませんでした。その方はその後切迫流産で妊娠の継続はできませんでした。
不妊で悩む夫婦が増加しています。私たち夫婦も11年間子供に恵まれず、毎月今度こそ、という期待とまたダメだったかという落胆の繰り返しでした。人に言えない苦しみが何年も続きました。ですから子供を授からない夫婦の苦しみは痛いほど理解できます。人工授精や顕微授精など世間には批判的な人たちもいますが、私は不妊の夫婦を助けるためにはこのような方法は当然許される事と思います。ホルモン・精子・卵子・卵巣卵管や子宮の異常、環境汚染、環境ホルモン、貧困、食事や薬等いろいろな不妊の原因が考えられますが、夫婦にとって子供は宝ですので、子供が授かるよう祈らずにはいられません。しかし何度も人工授精を行った後で、子供を諦めるという決断をして自分たちの人生を歩き出す夫婦もいます。これからは自分達自身の幸せを求めて生きてほしい、と願わずにはいられません。