あけましておめでとうございます。医者のくせにスピリチュアルな話ばかり書いてないで少しは医療について書いたらどうか、というお叱りがありましたので本日は薬の副作用についてお話ししたいと思います。
私事ですが、数年前から頭痛に悩まされてきました。患者さんの血圧は1日に何十人と測るのに、自分の血圧は絶対高くないだろうとたかをくくりほとんど測定しませんでした。頭痛が起こるたびに片頭痛が緊張性頭痛と思いロキソニンやSG顆粒でごまかしてきました。しかし尿路結石の痛みで病院を受診した時血圧が180近くあり、今までの頭痛が高血圧のせいかもしれないと気付いたのです。
それでカルシウム拮抗薬という薬を毎日服用することにしました。そうするとなんと頭痛が消失したのです。思えば当たり前のことかもしれません。血圧が下がり頭痛が消失しただけのことです。頭痛から解放されたため、頭が軽くなり回転が速くなったように感じました。しかしその後両側尿管結石で急性腎不全直前まで悪化し、また自分で蒔いた種とはいえ仕事や人間関係で大きなストレスを受け昨年は体調が最悪でした。その後尿管結石から回復し仕事のストレスも改善したにも関わらず体調は良くならず、うつ病のような症状が続きました。歯槽膿漏も悪化し抜歯も考えなくてはならない状況でした。このうつ病はきっと男性更年期なのかもしれないと思い文献を調べていると、うつ病は降圧薬や糖尿病の薬でも起こることがある、と書いてありました。カルシウム拮抗薬という薬はキレが良く効果も高いので降圧薬では日本で一番よく処方されている薬です。この薬にはうつ病や歯槽膿漏、便秘、EDなどの副作用があります。自分の症状とピッタリだと思い、カルシウム拮抗薬を辞めACE阻害薬に変更したところ、1週間ほどして歯槽膿漏が治り、景色が色づいているのに気づきました。セピア色だった景色がカラーに変わったように感じました。うつうつしていた気分が明るくなり元気が出てきたのです。
この副作用は一部の人にしか起こりませんので今服用されている方は、そのまま服用していただいて構いません。副作用は処方している医師にもなかなか気が付きにくいものです。何かありましたら医師とよく相談してください。